忍者ブログ
文章書きための場
[59]  [58]  [57]  [56]  [55]  [54]  [53]  [52]  [51
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「…ふっ…ふえっくしょーい!!…あ゛ーちくしょー」

……まこと悲しいことに都子さんには美少女に似合わぬ親父臭さが備わっていたのであった。
そしてそれをギャップといって喜べるほど、海も人間が出来ていなかった。これまた悲しいことに。

「都子さん…人のくしゃみにまで口出しするのは僕としても気がひけるのですがー。その」
「なんだい海君」
「せめて手でおさえるとかですね」
「問題ない」

何がだ。
と思ったがそれを口には出さない。

「そうですか」

部屋の角と角、対角線状に、つまり自分から最も遠い位置にいる都子さんのほうをちらちらとみつめる。都子さんはこちらからの視線に気付いているのかいないのか。なんだか小難しそうな本を睨んでいる。

「ところで海君」
「はいっ」

まるでこちらの気持ちが通じたかのようだ。都子さんの視線は自分に注がれている。

「君は恋愛をするかね」
「はあ」

いきなり何を言い出すのかこの人は。

「まあ、それなりに」

目の前のあなたに。とは口が裂けても言えないが。

「私はこれまで18年生きてきたが、恋愛というものをしたことがない」
「はあ…」

それがどうしたというのか。

「だから君、私の恋愛に付き合ってみる気はないかね」
「は」
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
<< 砂のある場所 HOME 荒川 >>
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新CM
最新記事
最新TB
プロフィール
HN:
のあ
HP:
性別:
女性
バーコード
ブログ内検索
最古記事
(08/24)
(08/24)
 
(08/24)
 
(08/24)
(09/17)
(09/19)
(09/19)
忍者ブログ [PR]